by 日本新聞協会

座談会

確かな情報の蓄積、
自分への信頼に

プロフェッショナルとして働く社会人の皆さんは、新聞をどのように仕事に生かしているのか。それぞれの分野で活躍する加藤謙太郎さん(プルデンシャル生命保険)、工藤大輝さん(アクセンチュア)、識名由佳さん(グロービス経営大学院)に、話し合ってもらった。

継続して読むと
会話力が高まる
プルデンシャル生命保険
加藤 謙太郎さん
見出しの表現を
プレゼンの参考に
アクセンチュア
工藤 大輝さん
きちんと取材して
編集された安心感
グロービス経営大学院
識名 由佳さん

「知恵」を売る仕事は
情報収集が欠かせず

工藤 私は金融業界を経験した後、現在は経営コンサルタントとして働いています。企業の課題解決に貢献するため、お客様の会社に駐在してプロジェクトを管理する毎日です。「大人になったら新聞は読むものだ」と考えていたため、大学で一人暮らしを始めると同時に、地方紙と全国紙の2紙を契約して購読しました。

識名 私もコンサルティング会社、NPOを経て、現在は経営大学院で、教材開発や教科研究を行う研究員として勤務しています。「知恵」を売る仕事なので、日々、新聞などからの情報収集が欠かせません。

加藤 現在はプルデンシャル生命保険で、営業をしています。最初に就職した頃はインターネットはなく、情報のツールは新聞が中心でした。そのため、転職を考えていた時も、新聞の求人広告を眺めたものです。重宝したのが折り込みチラシ。生活エリアの情報を得るのにとても役立ちました。今はネットでも新聞が読めますが、紙の新聞を購読する良さはやはり、地域とリアルにつながっている感覚を得られることですね。

識名 私はタブレットで新聞を読んでいますが、ネットのおかげで、複数の新聞社の記事に手軽にアクセスできるようになって、読み比べしやすくなりました。ファクトは同じなのに、それに対する意見や提案などが違う点が面白いです。何か大きな出来事があった際は、特に意識して読み比べるようにしています。

工藤 私も今はスマートフォンで読んでいます。もともと紙の新聞の方が、「読んだ感」があって好きなのですが、社会人になり、満員電車でも読みやすい端末での購読に変えました。電子版でも、紙の新聞のレイアウトを保持しているため、ペラペラめくると偶然気になる記事に出会える良さはあります。キーワード登録などで、仕事に必要な記事を逃さず読める点もいいと思っています。

多面的な視点は
働く上で有利に

加藤 今の仕事を選んだのは、目の前のお客様に全エネルギーを注ぐことができると思ったからです。せっかくなら、働く時間をお客様のために、そして自分のために意味のある時間にしたいと考えました。そのため、お客様との関係性を大切にしています。例えば契約日や誕生日に手紙を出したり、ニュースレターを定期的に発行したりしていますが、話題を集めるために新聞記事を参考にしています。また、法人のお客様には、その会社や業界に関する話を事前に仕入れてからお会いすることで、目の前のお客様に集中するよう心がけています。

工藤 私たちコンサルティング会社は、企業が抱える様々な課題に対し、適切な解を与えることが求められます。そのため、経済紙や業界紙から専門的な知識を得るだけにとどまらず、一般紙にも目を通します。すると様々な気づきがあり、物事を多方面から見る視点が得られ、仕事の上で有利になると思っています。

識名 私が新聞の情報を信頼しているのは、きちんと取材して編集されているからです。また、SNSなどで拡散された情報には、信ぴょう性に欠けたものも見受けられます。SNSの情報も、新聞が取り上げていると、そのファクトは本当なんだと信じます。そうした点で新聞が真偽を検証する役割を果たしてくれるのはとてもありがたいです。

新聞の有益な情報が
信頼築くきっかけに

識名 社会人になったばかりの頃は、経験もスキルもありません。でも、小さなニュースでいいから、自分の仕事に関する確かな情報を知っていることは武器になります。朝一番に、そうした情報を信頼性が高い新聞から得てアウトプットしていけば、やがて自分自身の信頼にもつながるのではないでしょうか。

工藤 クライアントの経営層や管理職の方は新聞を読んでいることが多いですが、現場の方々は日常業務に追われて、新聞を読む余裕がない方もいます。そうした人に新聞に載っている有益な情報を提供することで相手から信頼され、良い関係を築くきっかけになります。担当する業界の情報が載った記事や、担当企業の新聞広告などを先方に持っていくだけでも喜んでいただけます。こうした仕事に対する姿勢は必ず評価されます。

加藤 新聞には、時事ニュースのほか、家庭欄や文化欄など、生活の中で生かせる軟らかい情報も載っています。私は個人のお客様に接する機会も多く、フェイス・トゥー・フェイスで向き合う際、そうした情報はちょっとした会話のきっかけをつかむネタになります。話が弾むことがよくありますよ。

社会見る視点増やし
課題設定の力を育む

識名 今、大学でも「課題解決能力」という言葉がキーワードになっていると思います。社会に出て実際に様々な仕事に向き合ってみると、課題そのものを設定することの難しさを実感しています。課題とは、理想と現実とのギャップの間に存在するもので、いかに適切な設定ができるかが問われます。まっすぐ一方向から見つめていてもなかなか見えてこないことが多いため、違う視点から見る必要があります。そのため、複数の新聞を読み比べることは、多様な視点を得るための良い訓練になります。

加藤 大切なのは、わずかな時間でもいいから毎日、新聞を読むことですね。継続することでいつの間にか、仕事上での会話がうまく成立し始めることが実感できると思います。経済紙と一般紙、朝刊と夕刊では記事の雰囲気が違います。様々な視点、コンセプトで書かれた多様な記事に触れることで、自分自身が社会を見る視点も変わってくると思います。

工藤 裏技的な使い方ですが、新聞を読むことは日本語の勉強にもなります。いくら良い提案でも相手に伝わらなければ意味がありません。新聞の見出しは短い言葉で記事の内容を表現していますから、プレゼンで一言に凝縮して伝えたい時などに役立てています。


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