by 日本新聞協会

介護職 過酷16時間夜勤

瀬底さん姉妹(沖縄県)

沖縄タイムス 2016年5月4日付朝刊を読んで

妹・蘭さん(13)

HAPPYとは真逆の気分になりそうな記事から逃げるように次のページをめくろうとした時、写真の老人の後ろ姿と「呼び出し音70回超」の文字で、介護施設で亡くなった曽祖母が浮かんで目と手が止まってしまいました。

体中の痛みが苦しくて、自力では身動きがほとんど取れなくなった曽祖母は、呼び出しコールのひもを「命綱」だと言っていつも手に巻きつけていました。

他の人よりも意識がはっきりしている分、介護スタッフの方を呼んでしまう回数が多いことに本人も罪悪感を感じていたし、母や祖母も見舞いのたびに謝っていたのを見ていたので、私はきっとスタッフにとって呼び出しの音の回数は、ため息の回数だろうと思っていました。でもこの記事には「呼び出し回数=ありがとうの回数」だと書いてありました。「介護現場の大変さの回数=届いた感謝の数」に変換してくれて、職員のやりがいとして伝えてくれました。とてもうれしかった。曽祖母にも届くなら、読んで聞かせたくなりました。

「もしかしたら、ひいばあちゃんの『ごめんね』と『ありがとう』は、一瞬でも介護スタッフの方たちのやりがいにつながった瞬間があったかも!難儀させてるだけじゃなかったかもよ」と。出合ってしまったと思ったはずの苦しい記事は、出合えて良かったと心からの温かいHAPPYな気持ちにさせてくれた記事でした。

姉・凜さん(17)

「もし、これ読んでたらひいばあちゃんもっと楽に生きていたかなぁ」と、妹から新聞記事を渡された。

「介護職 過酷・・・」の大見出しに、ベッドの上の曽祖母、施設の消毒液のにおいやスタッフの忙しい足音がよみがえり、読むことをためらったが「感謝」「やりがい」という中見出しが私を後押しした。そして最後の「呼び出し音の数だけ『ありがとう』」には、目からうろこが落ちた。

過酷な勤務をそう変換したことへの驚きと尊敬、そして感謝の念が押し寄せてきた。同時に体の痛みと介護福祉士への罪悪感に苦しみながら逝った曽祖母の死をどこか受け入れられずにいた私の心を溶かしていくような、温かいHAPPYが私を包んだ。

介護現場の実務的な厳しい業務だけでなく、目には見えない心のやりとりにスポットを当てて伝えてくれた。見出しのインパクトが重要なネットニュースでは、きっと出合えなかった。中見出しなど、新聞ならではのアシストで、最後に待ってたHAPPYにたどりつけた記事だった。

妹は天国の曽祖母に届けたいと言ったが、曽祖母だけじゃなく一人でも多くの人に届いてほしいと思う。そんな思いをくれたこの記事が、曽祖母が大好きだった私たち姉妹にとっての最高のHAPPY NEWSだ。

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