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2015.01.20 update.

新聞は自分たちが進むべき道を決めるうえでの羅針盤

小沼大地 | npo法人クロスフィールズ代表理事

「新世代リーダー」としてメディアで注目されているNPO法人クロスフィールズ代表理事・小沼大地さん。

小沼さんは、大学卒業後、青年海外協力隊に参加。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、人材育成領域を専門としたプロジェクトなどに携わっていました。2011年3月、NPO法人クロスフィールズ設立のため独立。企業で働く人材が、新興国で本業のスキルを活かして社会問題の解決に挑む留職プログラムを通じ、途上国の課題解決と企業のリーダー育成に貢献する活動を行っています。

日々、新聞を読む時間を大切にしているという小沼さんに、新聞が持つ力や魅力について、お話を伺いました。

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小沼大地プロフィール写真s

――毎日、必ず新聞を読む。

前職がコンサルティング会社だったので、様々な企業の情報を得るために新聞を読み始めました。以前は電車で読んでいましたが、今は自転車通勤なので、移動時間やランチタイムを利用して新聞を読んでいます。365日、新聞は必ず読んでいます。

 

まずは見出しをパーッとみて、仕事に関係しそうな記事や、顧客企業の動向、NPO関連、社会面は特に注目して読んでいます。でも一番好きなのはプロ野球の記事ですね(笑)。スポーツが大好きなので、サッカーの三浦知良さんのコラムや、最近では「私の履歴書」で王貞治さんの話が連載されていたので、毎日とても面白く読んでいます。新聞を読むのは情報収集のためでもありますが、読み物としても楽しめるので、リラックスできる大切な時間です。ランチを食べながら新聞を読むのが、一日の中で一番の至福の時間だったりします(笑)。

 

――新聞は大切なコミュニケーションツール。

企業を訪ねると「昨日、こんな記事が出ていましたね?」「あっ、それ読みました!」などという会話が多く出ます。同じ記事を読んでいたことで、ちょっとした共通体験をすることが出来るんです。また我々の活動も新聞に掲載していただくことがあるのですが、企業の方から「記事を見たよ」と声をかけてもらえることも多く、とても嬉しいことです。人とのコミュニケーションツールの一つとして、新聞はとても役立っています。

 

――新聞は自分たちが進むべき道を決めるうえでの羅針盤。

大学で社会学を学び、世の中の動きや、世代論などについての話が好きなので、日本経済新聞の正月の連載「働きかたNext」という特集記事は、これから日本社会の中でどのように働き方が変わっていくのかという内容でとても興味深かったです。「日曜日に考える」という特集も、今の40代、50代の方々が若者の時にどういうものが流行っていて、どんなことに興味があったのかということを掲載していて、読んでいてとても引きつけられました。これからの時代がどうなるのか考える大きなヒントとなり、事業にも役立っています。

 

起業家の多くは未来を創る活動をしているので、新聞が取り上げると、「ついにメディアも取り上げるようになったか」と感じることがあります。自分たちがこれからやろうとしている新しい事と、世の中の認識がどれくらいずれているのか、または世の中の認識が追いついてきているのか、新聞は自分たちが進むべき道を決めるうえでの羅針盤みたいな役割になっている気もします。

 

――新聞に取り上げられることのメリットはとても大きい。

新聞が何をどういう風に切り取るか、時代によって変遷があります。我々も最初は「グローバル人材の育成」というテーマで取り上げられ、次第に「企業がNPOと組んで新しいイノベーションを起こす」という文脈で取り上げるようになり、最近では「留職」というキーワードが前面にでるようになりました。自分たちがやっていることが同じでも、時代によって取り上げられ方が変わり、その変遷が面白いなと思います。

 

新聞に取り上げられることのメリットはとても大きいです。この事業を立ち上げて一年も経たない頃、まだ何も実績がなかったとき、「留職」の第一号案件を大きく新聞に取り上げていただきました。それにより信頼性が高まり、活動が広がったきっかけになったと思います。新聞に掲載されると、「企業の偉い人が見たと言っていた」という話が伝わってくることもあります。やはり新聞は権威づけされているので、その効果は絶大だと感じています。

 

「△△企業の営業利益○%増」という記事は良く出ますが、自分たちの活動によって「△△企業の○○さんがインドに行ってこんなことをやった。こんな活動をした」というような記事が出ると、その企業のまた違う一面を知ることが出来ます。普段スポットライトが当たらないような方たちに、スポットライトが当たり、世の中に対してすごく意味がある活動だと認知されるので、この活動に賛同してくださった、企業の人事部や若手社員の方々に喜んでいただくことができ、ものすごく価値があると感じています。

 

――新聞は未来日記のような側面もある。

記者の方と話していて感じるのは、「メディアが未来を創ることがある」ということです。「予言の自己成就」という言葉がありますが、「留職プログラムは来年注目されます」と新聞が掲載したら、それが実際に成就する可能性があるんです。記者の方が魂を込めて書いた記事が、未来を変えていく。未来日記のような側面もあると感じます。特に新聞の特集記事は、記者の方が世の中を変えようとの思いがあり、そういう記事を読むととてもワクワクします。

「社説」など一つの物事をどう見るか、記者独自の目線で書かれた記事や意図がある記事、物事の裏が読める記事がものすごく好きです。

 

――新聞を読まないことのリスク。

新聞を読んでいないことで、一つリスクだなと思うのは、ネットで情報収集していると、自分の好きなものだけに考え方が支配されてしまう可能性があるということです。世の中がどう動いているかを知らずに、孤立してしまうリスクがあるということを意識してほしいです。新聞を読むことによって、世の中がどういうものに関心を持っているか、総体として理解することができます。その常識をおさえたうえで、自分の好きなことをより深く知り、考えることをするべきだと思います。

 

――今後の新聞に期待すること。

ニュースキュレーションアプリもどんどん出てきていますが、新聞記事を読んだ人がどう思ったか、そういうことにも価値があると思うので、コメントが出来るようなシステムや、それらを活用したコンテンツを作っていくのも面白いと思います。先ほども新聞がコミュニケーションのツールの一つだとお話ししましたが、コメントをネットで共有したり、まとめて新聞に掲載したり。コミュニケーションをもっと双方向にしたような新聞の在り方も、これからは面白いんじゃないかと思います。

PROFILE小沼大地

一橋大学社会学部・同大学院社会学研究科修了。青年海外協力隊(中東シリア・環境教育)に参加後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。2011年、npo法人クロスフィールズ設立のため独立。世界経済フォーラム(ダボス会議)のglobal shapers community(gsc)に2011年より選出。

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