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OUENDAN新聞応援団

2014.07.06 update.

新聞は、社会を良くするアイデアの宝庫 〜兼松さん前編〜

兼松佳宏 | greenz.jp編集長

「社会の課題を自分たちで楽しく解決すること」をモットーに、ソーシャルデザインという言葉を、日本中に席巻させた「greenz.jp」。若者の間で大変人気を博しているウェブマガジンです。全国各地から届くソーシャルデザインアイデアを集約し、編集長として活躍しているのが、兼松佳宏さん。HAPPY NEWSの取り組みに共感していただき、新聞の将来についても、アイデアをいただきました。2回に分けてインタビューをお届けします。まずは前編からご覧下さい!

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————普段新聞読まれていますか?

いまは家でとっていないのですが、東京に住んでいた時は、僕の地元の「秋田魁新報」をあえて取っていました。送ってもらっていたので、3日遅れでしたけど(笑)。普段は、ネットニュースなどで大きなニュースは追えるので、それでなんとなく世の中の流れをつかんでいます。ただ、ネットには載っていない地元のニュースを知りたいと思ったのと、地元に貢献したいという思いがあって、秋田から取り寄せていました。でもだんだんと忙しくなって、新聞を隅から隅まで読む時間をあまり持てなくなってしまったんですよね。それで新聞からちょっと遠ざかったこともあります。

その後、子育てをきっかけに2013年に鹿児島に移住したのですが、ありがたいことに地元紙「南日本新聞」でコラムを半年間書かせていただきました(既に終了)。

————それは面白い話題ですね!

「南天」というコラムで、鹿児島で活躍している人、例えば大学の先生や経営者など多くの人が寄稿していました。僕が依頼された時は、まだ引っ越して半年くらいだったので、言わば「初心者」でした。だから鹿児島の人に、鹿児島の話題を書いても面白くないだろうと思い、僕は逆に「出張日記」をテーマに、鹿児島以外の活動を毎回書きました。

そういう外からの視点が、逆に南日本新聞の読者にも喜んでいただいて、うれしかったですね。「日本中に面白い取り組みがあるんですね!」という反応をいただき、何より多くの地元の人が読んでいるので、公式な自己紹介になった感じです。コラムが仕事にもつながりました。新聞の影響力はあなどれないですよね。もちろんそれだけでなく、新聞というメディアの可能性はまだまだあると思っています。

————新聞に触れるのはどんなときですか?

今日のインタビューも、鹿児島のカフェで行っていますが、カフェに置いてある新聞はよく読みます。ほかにもホテルや病院の待ち時間とか、自由時間が多いですね。特にやることがない隙間の時間にセレンディピティー(偶然の出合いによる気づき)は起きると思っていて、なにげなく開いた紙面に、「おっ!」と思う記事と出合うこともあります。

先日もたまたま近所の温泉に行ったとき、風呂上がりの待ち合い室で、ふと開いた南日本新聞の1面記事がとても参考になりました。それは経済協力開発機構(OECD)が世界標準の教育モデルとして、日本の学校に注目している」というもので、東北の震災復興の文脈で小中学校の生徒たちがソーシャルデザインに積極的に関わっているというのです。それってグリーンズにとっても大きなニュースなのに見逃していたわけで、新聞があってよかったなと思いました。

———「greenz.jp」はウェブマガジンとして、どんな視点で記事を発信していますか?

同じメディアといっても、新聞とグリーンズでは大きな違いがありますよね。改めて、新聞社の持つ情報収集力や取材力は尊敬しますし、僕らでは絶対できないことだと思います。グリーンズは24時間ニュースを追い続ける体制がないからこそ、逆に時間がたっても色あせない情報発信を続けています。

グリーンズが多くのメディアと違うのは、NPO法人が運営する非営利メディアであることです。「greenz people」という寄付会員に支えていただきながら運営を続けています。大切なのはたくさん記事を書くことではなく、人の心を動かすような気持ちのこもった記事を発信すること。今はライターさんが100人くらいいますが、2か月に1本くらいのペースで丁寧に書いてもらっています。

掲載する記事の選択には三つのルールがあって、それを踏まえたものを提案してくださいと話しています。ひとつは「サプライズがある」こと。人に言いたくなるようなドキドキワクワク感があることは大事です。そして「思いやりや愛がある」こと。ただ単に面白いだけでは不十分です。まさにハッピーニュース的な、個人的にストーリーがあることは共感を生み出すために大切です。そして最後は、greenz.jpの根幹ですが、「社会の課題を『一石何鳥』で解決していること」。

今は日本と海外の記事が半々という感じですが、ほとんどは僕が見つけたものではなくて、ライターさんからの提案だったり、仲間からの推薦で集まってきています。編集長としてはそうやって高感度のアンテナを持っている人たちのコミュニティーづくりを何より大切にしていますね。

−−−−−−さて2回目は、greenz.jp視点でHAPPY NEWSを見ていただきます。7月18日(金)アップ予定です。お楽しみに!

★greenz.jpはこちらから → http://greenz.jp/

PROFILE兼松佳宏

ウェブデザイナーとしてnpo支援に関わりながら、「デザインは世界を変えられる?」をテーマに世界中のデザイナーへのインタビューを連載。2006年クリエーティブディレクターとして独立し、ソーシャルデザインのためのヒントを発信するウェブマガジン「greenz.jp」の立ち上げに関わる。10年より編集長。著書に『ソーシャルデザイン』『日本をソーシャルデザインする』など。2013年より鹿児島県へ移住。一児の父。

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