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2014.08.08 update.

新聞はその日だけしか買えない。一日しか売っていない本

石崎孝多 | フリーペーパー専門店「only free paper」元代表。

今年6月、渋谷にあるギャラリー(PLACE) by methodで、新聞だけを扱う企画展「Only News Paper」が開催されました。

普段あまり目にすることのない業界紙や個人が発行する新聞など、約100紙を展示。新聞本来の在り方と、新たな可能性を見つけてもらうことが企画展のねらいです。この企画展を開催したフリーペーパー専門店元代表の石崎孝多さんに新聞の面白さについてお話を伺いました。

石崎写真

―「Only News Paper」展を行ったきっかけはなんですか?

僕は昔から、デザインやアートブックを扱う本屋さんをやりたいと思っていました。でもアートブックを取り扱う本屋さんはすでに何軒かあったので、違いを出すためにはどうすれば良いか色々考えていました。元々本が好きで本屋さんになりたいと思っていたので、様々な本を持っています。雑誌、漫画、小説、デザイン誌やアートブック、絵本、古本、リトルプレス(インディーズ出版の小冊子)、そしてフリーペーパーです。これらは集めたというより「集まった」という感覚に近く、この中でもお店や地域などによって個性があるフリーペーパーの面白さに注目しました。しかし多くのフリーペーパーはアーカイブ化されておらず、様々なフリーペーパーを一か所で見ることができる場所が作れないかと思い、「Only Free Paper」というフリーペーパー専門店を立ち上げました。

現在は「Only Free Paper」を離れてしまったのですが、次に注目したのが「新聞」でした。

日本では地域や業界によって色々な新聞が発行されており、それらの「新聞」をまとめてみることができる場所を作りたいと思ったんです。

 

自分は元々、「本」が大好きで、フリーペーパーも新聞も、自分のくくりの中では「本」と同じなんです。

本屋さんや図書館があるように、フリーペーパーや新聞のアーカイブを集めた場所があってもいいんじゃないかという考えから、このような企画展を開催しました。

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―「Only News Paper」展ではどのような新聞を展示したんですか?

展示する新聞は約1年の時間をかけ、セレクトしました。「Only News Paper」を実際に開催することが決まって、まず国会図書館へ行き、どのような新聞があるのか調べてみました。国会図書館では全国の地方紙を読むことができます。それとはまったく違う企画展にしようと思い、国会図書館にも置いていない新聞を集めることにしました。僕のなかで面白いと思える新聞を時間をかけて選んでいきました。

また普通の新聞はニュース性が高く、毎日読んだら捨ててしまいます。そういうものではなく、記事として、紙として手元に残しておきたい、と自分が感じたものを独自に集めていきました。

私たちが普段なかなか見ることができない業界紙や、点字新聞、子供たちが作っている新聞や、デザイナーがつくった新聞、新聞社が作った新聞広告など、自分が考える「新聞」を100紙くらい集めました。

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新聞をどのように展示すれば、手に取ってみたくなるか、展示方法も試行錯誤しました。

友人のデザイナー飯田将平さんと什器デザインを担当してくれた西尾健史さん、そして段ボール什器を制作して下さったウィルライフ株式会社•加納久朗さんの協力のもと、簡単に組み立てて新聞を展示できるオリジナル什器をつくり、展示しました。

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若い方をはじめ、親子で来てくださった方もいて、普段なかなか見ることができないものを見られる場所だったので、みなさんとても面白がってくれました。また色々な発見もあったようです。

 

―一般紙も読みますか?

日曜版などで文化情報、独自の特集やインタビューが掲載されていて、よく手元にとっておいていました。記事の書き方や記者の視点、編集など、発見もたくさんあります。

特に新聞って「題字」が面白いですよね。色々なデザインがあって、アートやデザインの視点から見ても面白い。

また「新聞」ならではの広告の使い方も面白いですね。

静岡新聞が出した駅広告もすごいです。“みかん”や“お茶”をつかって「新聞」をデザインした広告になっている。「Only News Paper」展をやるときに、ぜひ展示したいと思い、静岡新聞に問い合わせたら、快くデータを提供してくださいました。

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ほかにも、イギリスに「PaperLater」というサービスがあって、自分が気になった記事や画像を集めて送ると、自分だけのタブロイド新聞として印刷してくれます。印刷や、加工、紙が好きなので、自分でもいつか、本や新聞を作ってみたいと思っています。

 

―新聞の魅力はどんなところだと思いますか?

新聞の良いところは、一日しか売っていないところ。例えばサッカー好きの人なら、ワールドカップの時は、自分が好きなサッカー関連の記事が毎日載っているから、買ってアーカイブとして大切に残せる。

僕もマイケルジャクソンが亡くなったとき、そのニュースは形として手元に残しておくべきだと思って新聞を買って、今でも大切にとってあります。

新聞はその日だけしか買えないものなので、一日しか売っていない本に近いと思うんです。

その魅力をどこまで出せるのかが課題だと思います。

 

小学生の手書き新聞も面白いですよね。和歌山市の小学生・金岡君が毎日書いていた『金岡新聞』がとても有名ですが、小学生たちの手書き新聞コンテストもすごく良い企画だと思います。

新聞にももっと企画やアイデア、デザインの要素を入れていくと面白くなっていくと思います。

 

子供たちが興味を持てるもの。みんなが楽しめるものがもっと「新聞」にも増えればいいなと思います。

自分もまだまだ発掘できていない面白い新聞がたくさんあるので、これからも探し続けて、いつか国会図書館に「Only News Paper」のコーナーが作れるといいなと思っています(笑)。

また普段なかなか読めないものが読める場所ができると嬉しいので、面白い新聞を集めた「Only News Paper」をお店にしたいという思いもあります。

 

 

PROFILE石崎孝多

新聞のみの「only news paper」、amazonにない本を紹介する「nomazon」、 漫画と音楽の企画「ミエルレコード」(otowaとの「紙巻きオルゴール漫画」で 第17回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 審査委員会推薦作品選出)、 原宿the terminalでの「pressroom」ディレクターなど、 様々なプロジェクトに関わりながら企画、執筆、ディレクションなどを行っている。 『only news paper』 https://www.facebook.com/onlynewspaper.info

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