by 日本新聞協会
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OUENDAN新聞応援団

2009.08.05 update.

新聞を介して人と人がつながります。

佐藤 光紀 | 株式会社セプテーニ・ホールディングス代表取締役社長

私は毎朝、3~4社の新聞を机の上に並べ、そのなかから必要な記事を読むというスタイルをとっています。約30分でざっと読み、その後30分で特に関心を持った記事を深く読み込みます。経済紙が主ですが、状況に応じて一般紙やスポーツ紙も読みます。私の世代では、新聞の“ヘビーユーザー”だと言えるのではないでしょうか。

新聞が「社会」と「個人」を結ぶ「メディア」なのだと実感できたのでしょう。

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<読み方が変わった瞬間>
私のなかで、新聞の読み方が大きく変わった瞬間がありました。社会人になり新聞を毎日読むようになりましたが、最初はどちらかといえば受け身の姿勢で読んでおり、あまり面白いとは感じていませんでした。
しかし、自分自身が当事者として仕事に打ち込み、仕事を面白いと思えた頃、今まで無味乾燥に捉えていた新聞を、興味を持って読むようになりました。今考えると、そのとき初めて、新聞が「社会」と「個人」を結ぶ“メディア”なのだと実感できたのでしょう。
記事に署名があると、関心はさらに高まります。Aという記者なり、編集者なりが、どういう思いで新聞を作っているかを考えると、その記者個人に対しても興味を持ちます。ネット上で利用者自身が情報を発信し、インターネットメディアが生まれていくように、新聞を介して人と人とがつながります。
これまで新聞は、50年、100年もの間、情報をつかさどる権威として存在してきましたが、その権威のタガを少しゆるやかにして、より記者個人などの表情が見えるようにすることで、より幅広い利用者が生まれるのではないでしょうか。
一方で、新聞が読みづらいと感じることもあります。特に、記事が何の目的で書かれているのか分からないときが、そうです。ある記事が“こうあるべきだ”とする自社の主張なのか、それとも実際に起きた事実に関するニュースなのか、ほかのさまざまな事例を踏まえ、事象を深掘りして書こうとしているのか、分からないことが少なくありません。この区分けが分かりづらいと、書かれている情報そのものへの信頼性が薄まる可能性があります。

ライフスタイルによって情報への接触方法は変わる。

<衝撃的だったリーマンショック>
最近で一番印象が強かったニュースは、やはり米国で起きたリーマン・ブラザーズの破綻でしょう。海外のニュースでもあり、第一報はやはりネットで閲覧しましたが、日本企業の対応の状況などをこと細かに報じている新聞記事がありました。銀行業界に強い新聞社などは、メガバンクが危機にどのように対応したのか詳細を報じており、業界の内部事情を知る上では、大変興味深い内容でした。一方、外国のニュースでもあり難しいことですが、現地の経営者が何を考え、どう行動したかなどを報じてくれれば、さらに良かっただろうと思います。

<紙とネット>
これからの新聞への提案としては、読者層に合わせて情報の発信形態を変えるという取り組みも重要と考えます。紙が良いか、ネットが良いかということだけでなく、その人のライフスタイルによって情報への接触方法は変わるということです。ですから、書いてあるものをそのままネットに出せばよい、ということではないと思います。その新しい情報発信の形態のために、最適な人材や組織の在り方を模索し、実際にチャレンジしてみる。その先に、新たな新聞のあり方が見えてくるのではないでしょうか。

PROFILE佐藤 光紀

立教大学法学部を卒業後、97年4月株式会社セプテーニ(現株式会社セプテーニ・ホールディングス)入社。99年新規事業責任者としてインターネット広告事業を立ち上げ、同社を国内トップクラスのインターネット広告会社に育てる。2004年12月専務取締役に就任。06年10月持株会社体制移行に伴い、 事業会社である株式会社セプテーニの代表取締役社長に就任(現任)。09年12月から現職。著書には「web2.0時代のインターネット広告」(06年/日本経済新聞社)がある。

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