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2018.02.08 update.

働く、祈る 感謝の70年

北海道新聞社 | 2018年2月3日掲載

<光のもとで 函館・トラピスチヌ修道院>第4部 雪舞う丘*5*働く、祈る 感謝の70年

 「働くことが自分の務め。大変だとは思わなかった。お米がたくさん取れた時はうれしかったねえ」。1月中旬の昼下がり。トラピスチヌ修道院本館の織物の部屋で、ヴィタルさん(91)が羊毛のマットを織りながら自身の半生を語り始めた。

 潜伏キリシタンの歴史を持つ長崎・黒島の出身。代々続くカトリック信者の家に生まれ、誕生翌日に洗礼を受けた。佐世保の工場で働いた戦時を経て、戦後間もない20歳のころ、同郷の7人と一緒に1週間かけて函館へやって来た。

 トラピスチヌに限らず、当時の修道院には労働を通じて祈る「助修女」と、聖堂での祈りなど聖務日課が義務付けられる「歌隊女」がいた。ヴィタルさんは助修女として共同体を支えた。

 農作業をはじめ、牛の世話や木ぐつ作りなどに励む毎日。祈りの場所は畑や水田だった。冬は午前2時に起き、本館の地下で石炭をたいた。「聖堂にいる皆さんは寒い寒いと言うんだけれど、自分は暑くてねえ」と往事を懐かしむ。。

 トラピスチヌで修道女の区分がなくなったのは40年前。バチカン公会議の指針による。ヴィタルさんにとり、聖堂で祈ることそのものが喜びだった。ただ、ラテン語の歌をなかなか覚えられないことがつらかった。

 70年に及ぶ共同生活の中で、実母に会ったのは20代半ばの1度だけ。格子越しのわずかな時間だった。妹の元気な様子を聞いた場面を今も鮮明に覚えている。

 最後の問いかけに「幸せですかって? 当たり前ですよ」と即答したヴィタルさん。「本当に感謝、感謝。祈るためにここに来たんですもの」

【写真説明】マット織りの途中で手を組み、神への祈りをささげるヴィタルさん

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VOICE!みさと 21歳 女性 大学生 北海道

 この記事を読んで、私も将来ヴィタルさんのようになりたいと思った。ヴィタルさんは70年の共同生活で実母にあったのは一度だけ、わずかな時間でした。農作業や牛の世話などをし、畑や水田で祈る毎日。私は大変だったし、つらかっただろうなと思った。しかし、ヴィタルさんは「働くことが自分の務め。大変だとは思わなかった。お米がたくさん取れた時はうれしかったねえ」と言い、幸せかという問いに対して、「当たり前ですよ」と言っている。
 ヴィタルさんはつらいことや大変なことを、考え方によって喜びや感謝、幸せに変えている。マイナスな部分を見るのではなく、プラスな部分を見つけ、そこに注目して生きることで幸せといえるのはとても素敵だと思った。私もつらいことなどマイナスなことがあっても、その中には喜びなどプラスのことも絶対あると思うので、プラス面を重視して、幸せかときかれたら「幸せです」と答えられるような考え方をしたい。

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