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2017.08.30 update.

ねぶた ママの傑作

読売新聞社 | 2017年8月7日掲載

ねぶた ママの傑作 青森 「男の世界」初の大賞
7日まで開催中の「青森ねぶた祭」で、女性ねぶた師の作品が初めて最高賞の「ねぶた大賞」に輝いた。受賞作を手がけた北村麻子さん(34)は2年前に長女を出産、子育てと制作の両立に悩みながら、大型ねぶた(高さ5メートル、幅9メートル、奥行き7メートル)を仕上げた。6日の表彰式では「周囲のおかげで受賞できた」と涙ぐみながら感謝の言葉を述べた。
ねぶた師は山車に載せる特大の張り子の制作者で、企画から絵付けまでを中心になって担う。今回の受賞作は「戸隠山の鬼女」の伝説を題材にした「紅葉狩(もみじ)(がり)」。平安中期の武将、平維茂(これもち)が鬼女に勇敢に立ち向かう姿を描いている。
父は第6代名人の北村隆さん(69)。物心ついた頃から父の工房に出入りし、ねぶた作りを手伝うようになった。しかし、高校卒業後に就職すると、次第に遠ざかるようになった。
転機が訪れたのは24歳の時。父の大賞受賞作「聖人聖徳太子」の印象的な光の描き方に感動し、それまで「男の世界」と思っていたねぶた師を志した。5年後に女性として初めて大型ねぶたを手がけ、デビュー作で優秀制作者賞を受賞した。
一昨年秋に長女を出産してからは制作と育児に追われてきた。今回の作品づくりが本格化した今年4月、長女が体調を崩して約2週間入院し、看病などで眠れない日々が続いた。「ねぶたを完成させられるだろうか」という不安も募った。
周囲のバックアップに助けられた。父が工房での準備などを手伝い、義母が退院後の長女の世話を買って出た。「本当にありがたかった。身に染みた」
子育ての影響で作風も変化した。「もっと子どもにも喜んでほしい」。受賞作では鮮やかな紅葉の赤を前面に出し、勧善懲悪の分かりやすい構図にした。祭りでは、特に子どもたちから大きな歓声が上がった。
「ねぶたを最初に動かす瞬間は、子どもが世の中に出る時と同じ感覚」と北村さん。長女とともに、ねぶたもかけがえのない“わが子”。「どちらも大切に育んでいきたい」。北村さんはそう誓う。

写真=女性初のねぶた大賞を受賞した北村麻子さん(6日、青森市で)=塚本康平撮影

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VOICE!木村隆之 20歳 大学生 東京都

初めてねぶた祭りを生で見たのは、中学校2年生だった。光輝く、大きな張り子はさまざまな見た目をしていたが、どれもかっこいいだけでなく、何か心に響くものがあった。その張り子の製作は男の人だけで行われていたということに驚いた。当時はそういった裏のことを考えることもなかったが、今考えるとあれだけ大きなものを作るのだから男の人が主体なのは当然だと思う。今回、受賞した北村麻子さんは父の影響で職人になった。1人でも女性が伝統に関わっていくことで新たな風が吹くことになるだろう。実際に、子育ての影響で北村さんは作風が変化したという。こうした、女性ならではの感性を生かした作品でねぶたの文化が発展したらよいと思う。また、ねぶたを見に行きたくなった。

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