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2017.09.19 update.

アフガン女性 義足新調 祖国のため「いつか医師に」

読売新聞大阪本社 | 2017年7月11日掲載

幼い頃、地雷で右足を失ったアフガニスタンの女性が日本で義足を新調し、自らの足で新たな一歩を踏み出した。14年前、映画出演を機に提供された義足が使えなくなり、自宅に引きこもる生活が続いていたが、当時製造した島根県のメーカーとの交流が縁で作り直せることになった。今の夢は「自分も義足を作り、祖国で役立つこと」だという。
首都カブール在住のアミリ・アフィファさん(23)。1996年に首都を制圧したタリバン政権から逃れようと、幼少時に家族と車でパキスタンへ向かう途中、水を飲むために下車して地雷を踏み、一緒にいた妹2人が亡くなった。
2001年のタリバン政権崩壊後に帰国。地雷で足を失った少女と、義肢装具士を目指す日本人ろう者の交流を描いた03年の邦画「アイ・ラヴ・ピース」(大沢豊監督)のオーディションを祖国で受け、準主役の座を射止めた。「出演すれば、日本で義足を作ってもらえる」と聞いたからだった。
ロケの舞台の一つが島根県大田市の義肢装具メーカー「中村ブレイス」。県内に滞在した数週間、社長の中村俊郎さん(69)が提供した会社の社宅で生活し、その後も中村さんの息子が現地を訪問するなど交流が続いた。
しかし、当時作った義足はアフィファさんの成長とともにサイズが合わなくなった。約5年前には一部が破損し、装着時に痛むようになったが、アフガン国内で部品は手に入らない。医師を目指して進学した大学は経済的な理由から半年で退学を余儀なくされ、ここ3年は外出さえ出来ない状態が続いていた。
「日本のパパ、ママ助けて」。今年1月、中村さんと妻の仁美さん(65)に宛ててメールを送ったのをきっかけに同社が渡航を支援することになり、6月27日から今月15日までの日程で来日。新しい義足で歩行訓練し、微調整しながらメンテナンス方法なども教わった。
今月7日、完成品を受け取ったアフィファさんは「とてもうれしい。中村パパありがとう」と中村さんに抱きついた。中村さんは「自分で困難に立ち向かい、希望を実現できる力を付けてほしい」と目を細める。
近年、アフガン国内では旧支配勢力タリバンなどが再び伸長し、首都周辺でも爆弾テロが相次ぐ。長引く内戦で自分と同様に義肢が必要な人も多いが、十分に行き渡らないのが現状だ。
アフィファさんは「いつか医者になり、義肢も作れるようになるのが夢。また日本に来て技術を学びたい」と目を輝かせ、「自分のような境遇でも大学に進学したり、義肢を手に入れたりできる国になるよう、日本の人たちに見守ってほしい」と話している。
   
写真=新しい義足で歩く練習をするアフィファさん(左)(島根県大田市で)=佐藤祐理撮影

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VOICE!安黒翔太 25歳 会社員 兵庫県

 私は中学生の時、学校で映画『アイ・ラヴ・ピース』を鑑賞した。あの時の少女がこんなに大きくなったことに驚き、喜びつつ、その後彼女に訪れた苦境を知りがくぜんとした。私は愚かにも、漠然とではあるが、映画に出演していた彼女はつつがなく暮らしているものとばかり思っていたのだ。実際は、この5年の間に義肢が壊れ、医師を目指して進学した大学も経済的理由で退学したという。そんな中、日本のパパ、ママと慕う中村さん夫妻に救いを求めたことで、彼女の人生は再び輝き始めた。アミリさんが新しい義足で歩く練習をする写真を見ると、その喜びがありありと伝わってくる。彼女は心の底から喜び、希望に満ちている。自分のことはもちろんだが、同じ境遇にいる人々に対して自ら何ができるか、何がしたいのかを明確に見据えている。中村さんでなくとも、その姿を見れば目を細めるだろう。想像するだけで、心が温かくなる気がした。

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