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2017.10.10 update.

痛みを力に練習全力

朝日新聞社 | 2017年7月6日掲載

野球道我が家流 高校野球京都大会:3)難病 痛みを力に練習全力 /京都府

 

京都明徳の外野手、ネグロン・ダリオ君(3年)は、消化器系の難病を抱えている。しばしば激しい腹痛に襲われる。治療の副作用で高熱が出ることがあり、しばしば練習を休んでいる。

「スポーツは難しい」。医師にはそう言われるが、チームメートに負けまいと練習に励む。そんな息子を、母アンナさん(46)は心配そうに見守る。「休んだ方がいいと思うけど、どんなにつらくてもあの子はあきらめない。練習に行かないでとは言えない」

◎  ◎  ◎

母はロシア人、父はプエルトリコ人。留学先の東北大で出会った2人の間に生まれ、日本で育った。

滋賀県草津市の自宅では、近くの小学校で野球の練習をする子どもの楽しそうな声がよく聞こえる。「自分もやってみたい」。小学3年生の時、ダリオ君は学童野球チームに入った。小中学校で活躍し、高校でも迷いなく野球部へ。だが、病魔は高校1年の夏ごろ、突然襲ってきた。

腹部に、体の中から殴られるような激しい痛みが続いた。その年の12月に難病と診断された。

「野球は絶対、続けたい」。ダリオ君は両親や医師を説得した。チームの理解も得て、痛みがある時は別メニューでの練習に取り組んだ。

だが、昨年9月には1週間ほど入院。冬場は練習に参加できず体重が8キロも落ちた。それでも野球をやめようと思ったことはない。

どうして、そんなにがんばれるのか。

幼い頃は、「外国に帰れ」などと言われ、からかわれたこともあるというダリオ君。「自分が生まれ育ったのは日本なのに、と悲しくなった」と振り返る。アンナさんは「自分が痛みを知っているから、我慢強い、人に優しい性格になったのかな」と話す。

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父の故郷、米自治領プエルトリコは野球が盛んだ。親戚も野球好きが多く、訪ねた時にはみんなでキャッチボールをして楽しんだ。中学生の時には、親戚の大リーガー、クリストファー・ネグロン選手から「頑張れ」と手紙をもらった。「彼らと同じ遺伝子が自分にもある。そう考えるとうれしくなる」

体調が良くなり、今年の春、チームメートと同じ練習ができるようになった。思う存分に練習できるのが楽しい。自宅でもマシンを使って筋力トレーニングをしたり、素振りをしたり。「病気を言い訳にしたくない。人の2倍練習して、負けないように頑張りたい」

そんなダリオ君の姿は、チームに刺激を与えている。主将の牧山玄樹君(3年)は「痛くても我慢して練習して、みんなと同じようにプレーしている。尊敬します」。

京都大会でダリオ君は、ベンチで出場のチャンスを待つことになりそうだ。「残念だけど、できるだけチームをサポートしたい」

将来、大好きな野球に関わる仕事に就きたいと考えている。夢は、プロ野球チームの通訳だ。(松本江里加)

承諾書番号17-5348

 

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VOICE!応募作品から 18歳 女性 大学生 滋賀県

私も中学校、高校で運動部に入っていた。しかし、病気になり、したいことができなくなるということはなかった。ダリオ君は突然難病だと診断され、今までとは生活が変わってしまった。変わらない毎日は当たり前にくるものではないと思った。そんな中、私なら心が折れそうな状況でもあきらめることはなく野球を続けた。本当に強いというのは、野球が上手い人よりダリオ君のようにどんな状況でも努力し続ける人ではないかと感じた。 辛くて病気のせいだと思いたくなるときもあったと思うが、「病気を言い訳にしたくない」ととても強い心を持っていると思った。チームメイトは他のメンバーよりダリオ君の練習量が少なくなってしまった時も、足手まといだと思うことがなく、むしろ「尊敬します」と言った。 病気に打ち勝ち頑張れる強い心を持っていること、また周りの人も病気に理解があるということがうれしかったです。

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